熊本県上天草市松島町の千厳山(せんがんざん)にあるサクラの木。その中で、1本だけ白やピンク色の花を咲かせている木がありました。

長年サクラの研究をしている専門家に映像を見てもらうと…

森林総合研究所九州支所 勝木俊雄 支所長「おそらくヤマザクラかな。本来、今の時期に咲くのではない」

通常であれば、サクラの花芽は、夏までに成長し、秋は休眠する時期とのこと。

この休眠のために重要なのが葉っぱです。

森林総合研究所九州支所 勝木俊雄 支所長「葉っぱがほぼほぼ付いていませんよね。8月くらいに落葉すると、アブシシン酸(植物ホルモン)が供給されなくて、うまく休眠しない現象が起こる。休眠できなかった花芽が咲いてしまう」

落葉の原因としては、台風などの強風のほか、今年の場合は、夏の猛暑でダメージを受けて早く落葉した可能性があるということです。

休眠できずに咲いてしまった花。春にはどうなるのでしょうか。

森林総合研究所九州支所 勝木俊雄 支所長「花が咲いたら落ちますので、そこの花芽はなくなる。その分、翌年、春の花は少なくなる」

秋に咲いても、数輪くらいか多くても1割程度なので、春に全体が咲いたときに花が少ないと感じるほどではないようです。