東京・町田市で76歳の女性が包丁で刺され死亡した事件。逮捕された男が「人生に絶望感が溢れていた」などと供述していることがわかりました。身勝手な動機。先ほど、男の両親がJNNの取材に応じました。

記者
「桑野容疑者を乗せた車両が南大沢警察署から出てきました」

けさ送検された桑野浩太容疑者(40)。おととい夜、マンションの外階段で、秋江千津子(76)さんの腹などを包丁で刺し、殺害したなどの疑いがもたれています。2人に面識はなかったとみられるということですが…

桑野容疑者
「年配で体格差もあり、両手が塞がっていたので、抵抗されなさそうだと思った」

これはおととい夜、事件の直前に現場近くで撮影された防犯カメラの映像。秋江さんの両手がレジ袋で塞がっている様子が確認できます。買い物を終え帰宅する直前に襲われたとみられています。

そしてきょう、犯行動機について、桑野容疑者の新たな供述内容が明らかになってきました。

桑野容疑者
「人を殺して人生を終わりにしようと思った。人生に絶望感が溢れていた」

人生に絶望していたという桑野容疑者。具体的な理由については…

桑野容疑者
「行政の窓口などで自分だけ違う対応をされたと感じた。自分にだけ配送物が届かなかった」

「身勝手な動機」。日々の生活に不満を募らせ、犯行に及んだというのです。

けさ、秋江さんの娘は…

秋江千津子さんの娘
「自暴自棄になるタイミングももちろんあると思うんですけど、人に危害を加えていいと、そこに向かっていく心情がわからない。夢から覚めたら母が戻ってくるような気持ち」

そして先ほど、桑野容疑者の両親がJNNの取材に応じました。

桑野容疑者の母親
「殺されていい命なんてないですから。本当に申し訳ないです」

桑野容疑者の近況について尋ねると…

桑野容疑者の母親
「疲れている感じ」
桑野容疑者の父親
「(会社の)上司からの指示がどうのこうのとか、それがきつかったのかな」
桑野容疑者の母親
「こちらはやめてもいいと伝えたが、『いいんだよって』。本人は真面目なんです。罪を認めたこの後、どういうふうに向き合っていく…。そこが一番誠意を示せることだと思っている」