人体への影響は? 長崎大学病院の解析結果

ここ数年、血管や心臓、肝臓、胎盤、脳など人体からマイクロプラスチックを検出したとする論文が海外で発表されています。
人体にはどのような影響があるのか?
永淵教授の手法を使ってマイクロプラスチックの解析を行ったのが長崎大学病院です。

長崎大学病院 呼吸器内科 城戸貴志医師
「今までの医学の手法ではプラスチックっていうのは注目もされにくかった。永淵先生が開発された手法だったら検出できます」

解析の対象となったのは「気管支肺胞洗浄液」。
肺の病気を診断するために生理食塩水を気管支から注入して回収したものです。そこにマイクロプラスチックが含まれているか調べたところ…

長崎大学病院 呼吸器内科 時任高諄医師
「今回解析を行った14名全ての患者さんからマイクロプラスチックが検出されました」
調べた数は多くないものの全ての検体から見つかったマイクロプラスチック。吸入することで全身の炎症との関連を示唆する結果が得られました。
日本で初めての研究成果です。
長崎大学病院 呼吸器内科 時任高諄医師
「血液中の炎症反応になりますが、こちらがですね、粒子濃度との正の相関関係があるということがわかりました。つまり粒子濃度が高ければ高いほど、CRPの値も高い」

マイクロプラスチックはPM2.5の一種です。PM2.5は吸入すると体の炎症の数値が上がることが知られていて、それと一致する結果でした。
ただ、まだ解析した数が少ないため現時点では病気との関連は不明です。