子どもたちに平和の尊さを伝えようと被爆者の実体験をつづった絵本が完成し、2日、長崎市に贈られました。


「夏の暑い日、原子爆弾が長崎に投下されました」
(絵本『忘れないで 長崎原爆とさくらこちゃん』より)


この絵本は3歳のときに入市被爆した竹下芙美さん(81)の体験をもとにつくられました。


挿絵は、ことし10月に亡くなった、被爆漫画家の西山進さんが描いています。


本では、1996年に行われた爆心地公園の発掘調査の際、竹下さんが、原爆で亡くなったとみられる子供の骨を見つけたときの思いがつづられています。


「当時のわたしとちょうど同じ年ぐらいの子供です。どうしてこんな小さな子どもが死ななければならなかったのでしょう」
(絵本『忘れないで 長崎原爆とさくらこちゃん』より)


被爆者 竹下芙美さん:
「私は彼女が眠ったままで自分が死んだことすらわかってないんじゃないかと思ってて、亡くなった方の代弁者としてこれは残すべきだと思いました」


この絵本は長崎市内の小中学校などに配布され、竹下さんは子どもたちに原爆の恐ろしさと平和の尊さを伝えたいとしています。