赤ちゃんが泣く理由が分からず、あたふたしてしまったという経験はありませんか?実は今、最新のAI技術を使い「泣く理由」が分かるというのです。鍵となるのは1000万件を超える音声データです。

■新米パパ・ハセンキャスターは赤ちゃんの泣く理由を瞬時に判断できるか?

小川キャスター:
新米パパになったハセンさん!ちょっとこれを聞いてみてください。

赤ちゃんの泣き声
「おぎゃー!おぎゃー!」

ハセンキャスター:
赤ちゃんの泣き声ですね。

小川キャスター:
そうですね。一生懸命何かを訴えていますけれども、何で泣いていると思いますか?

ハセンキャスター:
これは恐らくあれですね、ゲップが出ないんでしょうね。

小川キャスター:
何でそう思ったんですか?

ハセンキャスター:
ゲップを1回出しても溜まっている時は泣き続けるんですよ。

小川キャスター:
なるほど。

ハセンキャスター:
いわゆる、ギャン泣きを続けるんで。

小川キャスター:
結構、推測しますね~。そうやって一生懸命推測するしかないわけですけれども、実は今最新のAI技術で「赤ちゃんが泣く理由」が分かるということなんです。どういうことなんでしょうか?

■赤ちゃん泣く理由を見える化「怒っている98%」どう判別?

0歳児のパパ 西村創一朗さん(33):
「この子は西村水希といいます。生後3週間です」

都内に住む西村さん。抱いているのは3月21日に生まれたばかりの水希ちゃんです。

水希ちゃん:
「おぎゃー!おぎゃー!」

言葉を話せない赤ちゃんにとっては、泣くことが唯一のコミュニケーション手段です。ただ、なぜ泣いているのかが分からず、あたふたしてしまう経験が誰にでもあるのではないでしょうか?

西村さん:
「男性はママよりも、“勘と経験”を養いにくい中で、わからないからママに任せちゃう。ママに任せちゃうからよりわからなくなるっていう悪循環に陥りやすい」

そんな西村さんが今回の育児から使い始めたのが「ainenne(あいねんね)」です。どういう機械かというと・・・。

水希ちゃん:
「おぎゃー!おぎゃー!」

「ainenne(あいねんね)」は赤ちゃんの泣き声に反応します。ディスプレイに表示されているのは「泣き声解析中」の文字。そして・・・

西村さん:
「怒っている98.5%、眠たい1.5%。怒ってるんだね、ごめんね。よしよしよし。泣きやんだ、怒ってたんだね」

この「ainenne(あいねんね)」は“赤ちゃんが泣いている理由を見える化”するというのです。「おなかがすいた」「遊んでほしい」「不快」「眠たい」「怒っている」など、5種類に分類。「不快」と出た場合はおむつ交換のタイミングとなります。

水希ちゃんのママ:
「おむつ替えたらねんねしようね」

西村さん:
「本当に合っているかどうかは、赤ちゃん自身に聞いてみないと分からないですけど、感覚的には合っているなという実感はありまして。なんで泣いているのかが分かればどう行動すればいいのかが分かるので、“勘と経験”に頼らずに子育てができるというのがパパにとってもすごくありがたいです」

■AI×赤ちゃん 1000万件超のデータ解析で分かること

どうやって赤ちゃんの泣き声で感情を判別することができるのでしょうか。「ainenne(あいねんね)」の開発者に聞いてみました。

「ainenne」を開発した ファーストアセント 服部伴之代表:
「膨大なデータからAIで解析して判断できる仕組みを作りました」

泣き声の音声データ1
「おぎゃー、おぎゃー、おぎゃー」

これは「怒っている」時の音声データです。そして、次の泣き声は・・・

泣き声の音声データ2
「あうー、あうー、あうー」

これは「お腹が空いた」時の泣き声だそうです。AIは何で判断しているのかというと・・・

「ainenne」の開発者 服部さん
「音として鳴っている“周波数の成分比”ですね。膨大なデータを集めて分類していくと人間では分からないが、コンピューターが“ディープラーニング”という技術でやっていくと見えてくるものはある」

スマホのアプリを使って集めた赤ちゃんの泣き声データは、世界150か国1000万件を超えます。AIが感情によって周波数に特徴があることを見つけ出し、赤ちゃんが泣く理由の見える化を実現したというのです。今では精度は80%以上だといいます。

「ainenne」の開発者 服部さん
「笑顔で赤ちゃんに対して接することが出来る機会が増えるんじゃないかなと思って、こういう“見える化解析”をやっています。ビッグデータをうまく活用するというのは、これから子育ての現場を変えるものになる。そういったポテンシャルを持っていると思っています」