2024年に死去した、声優、俳優の大山のぶ代さんを偲ぶ会が、都内で開催されました。
新旧「ドラえもん」の声優陣や、昔からの声優・俳優仲間が集い、大山のぶ代さんを偲びました。

参列した毒蝮三太夫さんは、大山さんについて「すごくもう絶妙に俺に影響を与えたお姉さんだね。俺が毒蝮なら向こうはハブみたいなのね。そういう感じがするね。何しろ『モノ』をよく知ってた」と話し、「空襲の話、戦争の話、戦後の辛いことやなんか本当に今生きてたらたくさん喋りたかったろうし、喋ってもらいたかった」と振り返りました。

更に、大山さんの人間としての魅力について「面倒見がいい」と語り、「女優さんとしてよりも、ドラえもんの方が超有名になっちゃったからね」と説明。「料理は上手いし、水の博士もやってた。どこどこの水は美味しいのよ、どこどこの名物は美味しいのよなんて、多才な女性でした」と回顧しました。

また、大山さんが約26年間にわたり演じた国民的アニメ「ドラえもん」で、旧声優陣として共演した野村道子さんが、大山さんとの思い出や心境を語りました。
野村さんはドラえもんの旧声優陣で「源静香(しずかちゃん)」役を演じており、大山さんの死去から1年が経った今も、深い敬愛の念を抱いている様子でした。
野村さんは大山さんについて「大きい人でしたね、何に対しても、はっきりモノも言えて、博識で」と明かしました。「彼女の公演から帰ってくると、その土地の話をしてくれるんですけど、本当にいろんなことを知っていて」と語ります。
さらに「一緒に九州に行った時も、バスガイドさんよりも彼女の方がその土地に詳しくて」と、旅行の際のエピソードも披露。「いつも楽しい旅ができていました」と、共に過ごした時間を懐かしみました。

取材の最後には、野村さんが、「しずかちゃん」の声で、大山さんへメッセージを送る一幕もありました。「ペコさん(大山のぶ代さんの愛称)、本当に長い間ありがとう。今も私、あなたに会いたいわ」と、キャラクターの声を通して旧友への思いを伝えました。

そして、ドラえもん役の声優を、大山のぶ代さんから引き継いだ、水田わさびさんが、「先輩」への想い、エピソードを語りました。
ドラえもん役を引き継いだことについては「20年前に、とてつもなく大きくて太いバトンを受け取った」と表現。「先輩たちがとっても丈夫な、絶対に壊れることのないレールを26年かけて敷いてくださっていた」と感謝の意を示しました。「そのレールはもう絶対なのでそれに甘えつつ安心して、毎週お芝居をして、まだよちよち歩きですけれども、その上を今一歩一歩先輩たちの力を借りて歩いているという感じ」と語っています。

役を引き継ぐにあたって大事にしていることを問われると、「夢と希望を全世界の子どもたちに」という藤子・F・不二雄先生のメッセージを挙げました。「大山さんも、子どもたちに、どこに行っても大人気だった」と述べ、「私も引き継ぎにあたっては、やっぱり同じように子どもたちに夢と希望を、元気を与えられればいいな」と思いを明かしました。

特に印象的だったのは大山さんの人柄についての言葉です。「スタジオでも大山さんは本当にいつも入ってきたら、キラーンってスタジオの中が明るくなって、唯一無二の存在の方だった」と振り返り、「その明るさは私もまだ全然ですけれども、すごく意識するようにはしています」と大山さんを敬愛する気持ちを伝えました。
【担当:芸能情報ステーション】