盛岡市出身で「平民宰相」と呼ばれた原敬と美術界との関わりをテーマにした企画展が盛岡市で行われています。

会場には原敬と美術界の関わりを示す資料97点が並んでいます。
外交官としてパリで勤務していた時、原は「芸術の都・パリ」で様々な美術作品を見て、日記に「美麗なる彫刻、絵画等すこぶる多し」と記しています。

男女の裸体を題材にした彫刻を目撃して「すこぶる異様の感を起こさしむる」と驚きを表現しています。

また、フランスに留学している多くの才能のある日本人芸術家の世話役を務めました。その頃交流を持った一人に、「日本近代洋画の父」と言われる黒田清輝もいました。

日本に帰国してからも「明治美術会」という団体の幹事を務め、西洋絵画の普及に尽力しました。

また、会場には「原敬を描いた画家たち」と題し、原の肖像画を多く描いた五姓田義松と上野廣一の2人の画家を紹介するコーナーもあります。

中でも上野が描いた原敬肖像は「勲一等旭日大綬章」「大勲位菊花大綬章」を贈られたことを記念して描かれたもので、その豪華ないでたちが目を引きます。

このほか、原敬を描いた風刺漫画を集めたコーナーも設けられています。

原敬記念館学芸員の渡辺美知さんは「政治の世界に生き、一見美術界の接点はそれほど無さそうに見える原敬ですが、実はかなり深く関わっていたことが分かります。是非多くの方に見ていただきたいです」と話していました。

この企画展は11月16日(日)まで、盛岡市の原敬記念館で行われています。