稲刈りが進む新米は、2024年に引き続き高値で店頭に並び始めています。
その影響は、和菓子店にも及んでいます。主食用米とともに「もち米」が値上がりしたことを受け、9月から彼岸用の「おはぎ」の値上げに踏み切りました。
今野七海 記者
「まだ午後1時をすぎたばかりですが、こちらの店ではすでに、おはぎが残りわずかとなっています」
彼岸の墓参りにあわせて多くの人が買い求める「おはぎ」。八戸市の「お菓子処 丸美屋」では、秋の彼岸から、その値段を1個30円上げて220円にしました。理由は、「もち米」の高騰です。
お菓子処 丸美屋 若山忠義 社長
「彼岸のおはぎ用に『もち米』を発注したのですが、(業者に)『ない』と言われまして、ほぼ手をつくして、ようやく1俵ほど。それでも4割ほど高かったのですが、入手することができて。それで『おはぎ』を作っています」
JA全農あおもりによりますと、今年産の『もち米』の概算金は、玄米60kgあたり2万6000円で、前の年の2倍に跳ね上がりました。
さらに、2024年から続くコメの高騰に伴い『もち米』を生産していた農家も主食用米へ変更することが増えていて、『もち米』は品薄になっているということです。
このため、正月に鏡餅を販売するさいも、彼岸と同様の状態に陥る見込みで、店側は不安を募らせています。
お菓子処 丸美屋 若山忠義 社長
「(正月用に)実際の『もち米』がどれくらい入荷するか、まだわからないので、非常に不安です。値上げをすると値上げをしたでお客さんが離れていく。『今年はもう、お供えをあげなくてもいいかな』と思うお客さんが増えるのが心配」
『もち米』の価格高騰と品薄。
その両方に対応が迫られ、店ではまだ先行きを見通せずにいます。