岡山県津山市出身の俳優、オダギリジョーさんが脚本・監督・編集・出演の4役を務めた映画が全国の映画館で上映されます。どのような作品に仕上がっているのか、また故郷、岡山への思いは…。オダギリさんに聞きました。

(オダギリジョーさん)
「監督の作業が一番嫌いなんですよ。脚本を書いたりは、すごく個人作業だから面白い。自分のペースでやれるじゃないですか。ただ監督って現場で100人近い人たちの相手を、すべての人の視線がこっちに向かってくるので、それに全部応えなきゃいけないし。コミュニケーションもとっていかなきゃいけないので、自分にとっては本当に一番合わない作業ですね」

ー大変な中って感じで…

(オダギリジョーさん)
「そうですね」

【画像①】

オダギリさんが脚本・監督・編集・出演を務めた映画、「THE オリバーな犬、Gosh!!このヤロウMOVIE」【画像①】
2021年に放送されたテレビドラマの劇場版です。狭間県警 鑑識課 警察犬係のハンドラー青葉一平とオダギリさん演じる警察犬のオリバーが次々に起きる不可解な事件に挑んでいく物語です。

公開前から話題を呼び岡山県警の一日広報警察犬も務めたオリバー【画像②】。映画では、相棒の一平にだけ酒と煙草と女が大好きな着ぐるみ姿のおじさんに見えるという設定です。なぜこのようなユニークな設定にしたのか。オダギリさんへの単独インタビューで聞いてみました。

【画像②】

ー着ぐるみを着た犬を演じようと思ったきっかけってあったんですか

(オダギリジョーさん)
「30年近く俳優の仕事をやってると、まぁまぁもう演じさせてもらったなと思って。残ってるのがもう着ぐるみぐらいしかなかったんですよ。だからまぁ行き着くとこに行き着いたみたいなとこじゃないすか」

ーああ、なるほど(笑)(2021年のテレビドラマ以来)久しぶりにオリバーを演じてみて、やはり楽しいなって思う部分ってありましたか?

(オダギリジョーさん)
「実はあんまりなくて。現場を進めていくのに必要な作業の一つであって、楽しみとかではないですね、もはや」

ー見ている側としてはオリバーがいるからこそ笑いが生まれてっていう、楽しい部分もあるなって。

(オダギリジョーさん)
「でもセリフ覚えたりしなきゃいけないんですよ。面倒くさくないですか?自分で書いたセリフを」

ー現場ではどのような雰囲気で撮影を進められていきましたか?

(オダギリジョーさん)
「雰囲気はいい、とは思いますけど、ただ、意外とコメディとか笑いとかって間とかタイミングとかニュアンスがずれると、全然笑えなかったりするんですよ。だから、結構役者もその辺は分かっているからコメディだからみんな楽しくやってるかっていうわけでもなく、ちゃんと正しいところに当てないと笑いが起きていかないので、結構シビアな芝居でもありますけどね」

【画像③】

観客が笑えるよう、会話の間やタイミングにもこだわったという今回の作品。全国に先駆けて先行上映会を行ったのは故郷・岡山でした【画像③】。