アメリカ軍岩国基地(山口県岩国市)で行われている陸上での模擬着艦訓練・FCLPは22日で4日目です。開始からこれまでに市に寄せられた騒音への苦情は500件を超えました。

FCLPは滑走路を空母の甲板に見立てた空母艦載機の模擬着艦訓練です。通常、東京都の硫黄島で行われますが、島の噴火で訓練できなくなり、今月17日から昼夜アメリカ軍岩国基地で行われています。

市がまとめた実施状況によると17日からこれまでのタッチアンドゴーなどFCLP関連の飛行は592回でした。70デシベル以上を5秒以上観測した騒音測定回数は、滑走路北側の川口町で931回、南側の尾津町で1054回でした。市に寄せられた騒音への苦情は535件にのぼりました。

苦情電話に対応する市職員
「そうですね、うるさいですよね。ペットもいけんのですね」

岩国市役所の基地政策課では課の職員だけでなく、ほかの課からの応援も得て連日、苦情電話の対応に追われています。訓練の期間を尋ねられたり、騒音の軽減を米軍などに伝えてほしいという要望を聞いたりして、対応していました。また、部屋からはタッチアンドゴーの様子なども確認していました。

岩国市 基地政策課 岡田雅敏 課長
「うるさすぎる。頭が痛い。夜勤なのに眠れない。子どもが寝る時間なのに騒音が続いている。お年寄りが休めない。そういった声がありました」

22日も、予定時刻の午後4時半を20分過ぎて訓練が続きました。

また、村岡知事は9月定例県議会の代表質問で、FCLPについて改めて「大変遺憾」と強調しました。

村岡嗣政 知事
「地元からの強い要請にもかかわらず、今月17日から訓練が実施されていることは、大変遺憾であります」

村岡知事は今月19日に基地近くで訓練を視察していて、「激しい騒音を実感した」と感想を口にしました。基地周辺住民が強いられている大きな負担を国やアメリカ側に伝え、岩国基地で二度と実施しないよう強く求めていく考えとしています。