中野市で4人が殺害された事件の裁判員裁判で、被告の精神鑑定を行った医師が証言し、犯行当時の行動は目的に沿っているため、妄想症は影響ないと話しました。


中野市の青木政憲被告は、おととし5月、住民と警察官あわせて4人を殺害した罪などに問われています。

19日の裁判では検察側の請求で被告の精神鑑定を行った医師が再び出廷しました。


医師は17日、「被告の妄想症が犯行の動機の要因となったが、殺害の判断には影響しておらず、動機と判断は切り分けて考えられる」と証言しています。

19日は医師が理由について説明し、被告が腹を立てた後、家に戻ってナイフを持ってきて攻撃したことや銃を持ち出したことを挙げました。


そのうえで「行動が目的に沿っている」として妄想症は殺害の判断には影響ないとしました。

また、被告の知能は「理解、知識、記憶能力は優れているが、処理速度についてはずいぶんゆっくりしている」と証言しました。


一方、これまで弁護側の鑑定医は、被告は犯行当時、統合失調症の再燃状態で、「妄想に支配された犯行」などと話しています。