これまで例がない珍しい形の埴輪です。ラッパのような筒の縁に翼を広げた鳥の飾りが付いた国内初の埴輪が見付かったと、松江市が発表しました。

見付かったのは、翼を広げた鳥の埴輪と、朝顔形埴輪の広がった口の一部です。鳥のお腹側の突起と朝顔形埴輪の縁がぴたりと合い、元々一体の埴輪だったと見られます。

松江市埋蔵文化財調査課 永野智朗文化財主任主事
「聖なる場所の上を飛び交って、そこを守護するというような象徴があるのではないか」

松江市八幡町の八幡鹿島山古墳で昨年度から行われている発掘調査で、古墳の周りの溝から発見されました。

この一帯を支配していた有力者の墓と見られる5世紀前半の大型の方墳からは、1500点以上の埴輪や土器が見付かっています。

装飾埴輪が専門の花園大学の高橋克壽教授は、「翼を広げ滑空する鳥の装飾付き埴輪はこれまで国内に例がない。タカと見られる鳥の背中には邪気を払うとされる模様が刻まれ、墓を守る意図で作られたのだろう」と話しているということです。

市は10月18日に松江市市民活動センターで行われる講演会に合わせて埴輪を一般公開するほか、10月28日からは松江市立鹿島歴史民俗資料館で八幡鹿島山古墳速報展も予定しています。