■電気柵は危険ではないですか。触った人がケガをしないか心配です。

電気柵を設置する地域住民と秋田県職員(画像提供:秋田県)

 市販されている電気柵を使用する限り、危険なものではありません。

過去には電気柵(のようなもの)による死亡事故が起きていますが、それは自作のものによる事故でした。

市販されているものは電気事業法や関連する省令に基づいて製造されており、流れる電気量や間隔がコントロールされているほか、安全装置が整備されています。きちんと市販品を使用すれば、電気柵は安全で有用性の高いものです。

一方で、「触ってもケガをしないくらい弱い電気でクマ対策に効果があるのか」という疑問も聞かれますが、ケガはしなくても痛みは感じます。電気柵に触れると痛いと学習することによって、クマをはじめとした野生動物は電気柵を忌避するようになります。

秋田県のホームページでは、「電気柵をクマに突破されました。効果が無いのでは」という質問に対しても、写真付きで解説されています。

北海道南富良野町に出没したヒグマ(8月)視聴者提供

◇取材協力:秋田県自然保護課
◇HBC北海道放送・幾島奈央

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