天皇皇后両陛下が、長女の愛子さまを伴われ12日長崎入りし、原爆落下中心地などを訪問されました。

天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは、12日正午すぎ、長崎空港に到着されました。

天皇陛下の長崎ご訪問は、皇太子時代の2014年以来11年ぶりで、即位後は初めて。両陛下お揃いでの来県は29年ぶりです。また愛子さまは、初めての長崎ご訪問となりました。

宿泊先に到着されると、ご一家を歓迎しようと駆けつけた多くの市民に、笑顔で手を振りこたえていました。
両陛下は、「戦後80年」にあたる今年、戦没者を慰霊するため全国各地を訪問されています。

原爆落下中心地碑を訪れたご一家は花を供えられ、原爆犠牲者を慰霊しました。

説明をした鈴木長崎市長は、公園内に移築展示されている浦上天主堂の遺構について、愛子さまから尋ねられたということです。

鈴木史朗長崎市長:
「『被爆した直後も信者の皆さんは、浦上天主堂で祈りを捧げられたのですか?』という主旨のご質問がありました。
『(信者の方々は)自ら傷ついていても信仰の心を忘れずですね、ひたすら神に祈りを捧げたという風に聞いております』ということをおこたえ申し上げました」

その後、原爆資料館ではおよそ30分間にわたって常設展示をご覧になり、被爆者らとも懇談しました。

原爆でおばやめいを亡くした101歳の中村キクヨさんは、毎月9日に長崎の鐘をならす活動などを続けています。

長崎県被爆者手帳友の会 中村キクヨさん(101):
「平和が一番大切だということを、皆さんにお伝えしたくて、若い方に色々なお話をしております。それが私の今になってこの年になっても平和運動に少しでもつながっていけばよいということで頑張っております」

長崎原爆被災者協議会 田中重光会長(84):
「戦争犠牲者に対して寄り添う気持ちを持っていらっしゃるんだなと思います。それと、日本の平和、また世界での平和のことについても思ってらっしゃるということを感じました」

ご一家は、13日には被爆者が暮らす恵の丘長崎原爆ホームの入所者とも懇談される予定です。