東日本大震災の発生から9月11日で14年6カ月です。
宮城県東松島市では、津波で母を亡くした女性が、墓前に近況を報告しました。

宮城県東松島市宮戸の観音寺です。近くの野蒜地区に住む櫻井けい子さん(70)。同居していた母の恵美子さんを津波で亡くしました。いまでもほぼ毎月、墓参りに訪れます。

櫻井さん:
「ばあちゃんの好きなコーヒーどうぞ。召し上がれ」

櫻井さんの母、恵美子さん、当時79歳。当時、自宅に1人でいて被災しました。友人も多く、みんなに慕われていたといいます。

櫻井さん:
「好かれるタイプだった。友人も多く作っていたし、なんでも挑戦する母親だった」

「家族の前では笑っていなさい」。生前、母が繰り返していた言葉です。その教えは決して忘れません。

櫻井さん:
「亡くなって2年、3年、思い出しては泣きだったけれども、それではいけないなと。常に笑顔を絶やさない。そんな家庭にしたいと思っている。亡くなってもここにいる」

いつも墓前に近況を報告する櫻井さん。最愛の母は「分かった」ときょうも返事をしてくれたそうです。

県によりますと、東日本大震災で、宮城県内では、関連死を含め1万571人が死亡、1215人が行方不明となっています。