明治時代から120年続いた銭湯「柳ヶ瀬浴場」

続いて訪れたのは、メイン通りに面した廃墟ビル。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「営業していないビルもたくさんある。中でも一番気になっているのが、この『柳五(やなご)ビル』」。
ビルの2階にある「柳ヶ瀬浴場」は、柳ヶ瀬の歴史を語る上で欠かせない場所だそう。1階はスナック街になっており、階段を上ると男湯と女湯に分かれたドアが現れます。
特別に入らせてもらうと、マッサージチェアや1人用の個室サウナが当時のまま残されています。

脱衣場を抜けて風呂場へ行くと、深さのある空の浴槽が。多くの人が入れるよう、立った状態で入れる設計になっているそう。他にも、歓楽街ならではの工夫が。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「洗い場の床の真ん中が一番高くて、両サイドの排水溝に水が流れていく。性風俗店がたくさんあった場所なので、少しでも性病とか感染症を予防しようということで、流れた水が交わらないよう、衛生的に考えられた造りになっている」
柳ヶ瀬浴場の歴史は古く、平成15年に閉業するまで120年にわたって、柳ヶ瀬の人たちの憩いの場として愛されてきました。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「遊郭よりも前の、明治16年からあった。当時は、平屋の木造の銭湯。昭和50年に平屋からビルに建て替えられ、銭湯を2階に造って、他のフロアを貸したりしながらテナント料で営業を続けた」

旅の最後にはなんと、アーケードの天井に設置されたネオンを点灯させてもらえることに。鹿取さんは「たぶん日本で一番ネオン管が多いと思う」と言い、スイッチをオン!妖艶な光を放つネオンが、ひとけの少ない商店街を彩りました。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「柳ヶ瀬の華やかな時代が象徴されている」
CBCテレビ「道との遭遇」2025年2月11日(火)午後11時56分放送より