静岡県牧之原市で3歳の女の子が通園バスに置き去りにされ熱中症で死亡した事件から2025年9月5日で3年です。「事件のことを決して忘れない」。事件があった現場には多くの人が訪れ花を手向けていました。
<社会部 荻野旦記者>
「牧之原市の認定こども園で、当時3歳だった女の子が通園バスに置き去りとなり死亡した事件からきょうで3年です。事件現場となった駐車場には献花台が設けられ、花が手向けられています」
この事件は、2022年9月5日、静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で河本千奈ちゃん当時3歳が通園バスの中におよそ5時間置き去りにされ、重度の熱中症で死亡したものです。
事件の発生から3年。5日、多くの人が現場を訪れ、千奈ちゃんを悼みました。
<岐阜から献花に訪れた人>
「9月5日は千奈ちゃんの命日ということは分かっていたので、自分にも同じくらいの年齢の孫もいるので、雨が降ろうが火が降ろうが絶対来ようと思いました」
<地域の人>
「私たちは近いので、いつもこの前の道を通るので、いつも千奈ちゃんと声をかけながら通るんですけど近い人はみんな(事件のことを)覚えてる」
千奈ちゃんの遺族は現在、牧之原市を離れて暮らしています。先日、事件から3年を前にコメントを発表しました。
「日常に戻っていくほどに、千奈がいないという事実の重さが際立ち、心の痛みは静かに、深く沈み込んでいくのを感じます。表面的には落ち着いた暮らしをしているように見えても、それは痛みが癒えたことを意味するわけではありません。この事件に対する社会の記憶と関心が風化することなく、事実に基づいた報道が続いていくことを心から願っています」
川崎幼稚園は、「今後もご遺族への償いを続けるとともに、事件を風化させることがないよう務める覚悟です」とコメントしています。