終戦後当時の樺太から引き揚げた人の証券などを保管している函館税関は78年ぶりに債権を親族に返還しました。
9月3日、返還されたのは、国が軍事費を調達するために国民に販売した「戦時貯蓄債券」など6点です。
千島歯舞諸島居住者連盟の坂上範夫函館支部長の祖父が上陸の際、税関に預けていたものでした。
千島歯舞諸島居住者連盟 坂上範夫函館支部長
「家族を支えながら大事に持ってきたんだと思う。すごく重く感じます」
政府は、終戦直後、GHQの指令で急激なインフレを防ぐため引き揚げ者が日本に持ち込む証券などを制限しました。
今も古い紙幣や証券など8万3000点以上が保管されていて、函館税関は些細な情報でも気軽に相談するよう呼びかけています。