京都市にある国立の小中一貫校でいじめの「重大事態」が起きていました。

 京都教育大学などによりますと、京都教育大学附属京都小中学校に通っていた当時6年の男子児童は2021年からおととしにかけて、同級生から教室内で下半身を突然蹴られたり、トイレでは「またこいつ、籠ってるぞ」と言われ、個室のドアを叩かれたりするなど、複数回にわたりいじめを受けていたということです。

 男子児童がいじめを受け始め、5か月がたったころに記入した道徳の授業のアンケートには次のように記されていました。

 「いじめの事に関して先生は全く信用ならん。そこまで真剣に関わらない。何かあったときに言える存在じゃない」

 これに対して担任は「GOOD」のスタンプを押して返却していました。

 その後、児童は適応障害と診断され去年3月に転校しましたが、転校を余儀なくされたのはいじめが原因と疑われることなどから、京都教育大学はいじめの「重大事態」と認定しました。

 第三者委員会は、「保護者からいじめの申告があったにも関わらず『いじめを除く友人関係をめぐる問題』と報告するなどいじめに対する意識が不十分」と、学校側の対応が不適切だったと指摘。

 学校の校長はMBSの取材に対し…

 (京都教育大附属京都小中学校 湯川夏子校長)「いじめに関する認識が不十分であったこと。学校内で生徒の状況についての情報共有もうまく機能していなかったということが考えられます」

 男子児童の代理人である弁護士は、教職員がいじめに対して理解不足だったと指摘します。

 (三橋高等法律事務所 三橋和史弁護士)「『このぐらいはからかい、ふざけあいだろう』と、(教職員が)独自の理解に基づいて判断してしまって、組織的にいじめに該当するのかどうかという判断が行われてこなかった」

 男子児童の父親は、「学校の対応が隠ぺいと受け止めざるを得ないものであったため、誠実で責任ある対応を求めます」とコメントしています。