富士山の噴火を想定し、行政や建設業などによる官民連携の訓練が行われました。降り積もる大量の火山灰は生活に欠かせない車にも大きな影響を及ぼします。
8月、内閣府が公開したシミュレーション動画です。富士山の噴火に備え、日頃の準備を呼びかけました。
9月3日、静岡県富士市では南海トラフ巨大地震に伴い、富士山で大規模噴火が発生した想定の訓練が行われ、市の関係部局と消防、地元の建設業者などが参加しました。官民で連携し、災害対応の実効性を高める狙いです。
道路上に覆いかぶさった火山灰や建物のがれき。参加者は重機や手作業でがれきを撤去した後、要救助者に見立てた人形を運びました。
降り積もる火山灰は、最大で静岡県小山町で30センチ、東京・新宿でも10センチと想定され、車での移動に大きな影響を及ぼすとされています。
9月3日の訓練では、高さ15センチの火山灰が降り積もった道路を再現し、複数のタイプの車を走らせる実験も行いました。四輪駆動ではない乗用車が進入すると、タイヤが火山灰に埋まり、その場から動けなくなる「スタック」状態に陥りました。
参加者は、重機を用いたけん引や手押しの人力作業で車と運転手を救出しました。
<富士市建設業組合 遠藤典生組合長>
「南海トラフ大地震、富士山噴火はいつ起きてもおかしくない。“毎日”が常に準備。気持ちをいつでも備えておきたい」
江戸時代中期の宝永大噴火から300年以上にわたり、沈黙を続けている富士山。
いつ起きるかわからない「その時」のために、防災・減災に向けた日頃の備えが重要です。