岩手県金ケ崎町六原に工房を構え、62年にわたり張り子作品を創作し続けている澤藤範次郎さんの作品展が北上市で行われています。

会場には澤藤範次郎さんがこれまでに製作した中から、面や人形など135点の張り子作品が並びます。

澤藤半次郎さんは19才の時、お父さんの指導を受けながら、地元の郷土芸能の面を作り始めました。
ある時期から、花巻市の成島和紙を素材に使うようになり、作品の質が向上し、高い評価を得るようになります。

その後、面だけでなく、干支の張り子の人形や仏像、猫の人形などを作り、県の産業まつりやデパートの物産展などに出品したところ、かわいらしさやユニークな作風が人気を呼び、全国から注文が舞い込むようになりました。

特に犬の張り子人形は、犬が「多産なのにお産が軽い」ことから安産の守り神とされており、全国の産婦人科医から注文がきたということです。

これまでに「型だけで300から400。作品としては5万個以上は作りました」という澤藤さん。
全国を旅行した時に、意外なところに自分の作品が飾られていて驚くこともあるということです。

澤藤さんが張り子の面を作る時、特に緊張するのは「目を書く時」。
「鬼剣舞の面を作ることから入ったので、どうしても怖い顔になってしまう時期もありました。今はやさしい目を書くことを心がけています」と語ります。

これからも「体力、気力と相談しながら作り続けていきたい」ということです。
この作品展は10月26日(日)まで、北上市の北上市立鬼の館で開かれています。