4年前、広島市で知人の男性を殺害し、遺体を切断して捨てたとして一審で懲役18年の判決を言い渡された男の裁判で、広島高裁は2日、控訴を棄却しました。
判決によりますと、広島市佐伯区皆賀の渡部大地被告(33)は、祖母の家で、祖母の交際相手だった男性(当時70)の顔をコンクリートブロックで複数回殴って殺害。その遺体を切断したほか、海に捨てるなどしました。
一審の広島地裁は渡部被告に対し懲役18年の実刑判決を言い渡していました。
控訴審で弁護側は一審と同様、実行したのは現場にいた身元不明の男であるとして殺人と死体損壊の罪について、無罪を訴えました。
広島高裁の畑山靖裁判長は判決で、「一審判決の認定判断は論理則、経験則に基づいた合理的なものである」とした上で、「『犯人は身元不明の男』という弁護側の主張は非現実的で荒唐無稽というほかない」と指摘。一審の判決を支持し、渡部被告の控訴を棄却しました。
弁護側は記者団の取材に対し、「こちらの主張が全て排斥されていて不当判決だ」と話し、上告については「被告人と協議のうえで決定する」としています。