不信任決議案が可決された静岡県伊東市の田久保市長。今後の判断について、「議会解散」の見方が強まっていて、市議からは選挙を意識した声も聞かれ始めています。
専門家は、田久保市長が議会を解散する場合、“市政改革”という理由を掲げるのではないかと指摘します。
<伊東支局 青島悠記者>
「おはようございます。議会の解散か、失職か気持ちは決まったでしょうか?」
<伊東市 田久保真紀市長>
「おはようございます」
田久保市長は9月2日も自身の考えを明かしませんでした。9月1日、全会一致で可決された田久保市長に対する不信任決議案。ノーを突き付けた議員たちと同じように市民からも厳しい声が聞かれました。
<伊東市民>
「早く辞めて、きれいなはっきりした市政にしてほしい」
<伊東市民>
「(選挙は)税金でやるんだからね、ちょっと考えてもらわないと困る。市長だけが辞めてくれれば一番いい」
<伊東市民>
「やっぱり早く失職してというのが一番です」
市議からは「議会解散」の見方が示されるなど、早くも選挙を意識した声が聞かれました。
<伊東市 井戸清司市議>
「噂通りで10日に解散するという情報は入っているので、議会側はもうそのつもりでみんないますし、覚悟を決めていますので。もうみんな選挙モードじゃないですか」
専門家は、田久保市長が議会解散を選択した場合、“市政改革”という理由を前面に出すのではないかと指摘します。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「現状の議会の構成では自分のやりたいと思う改革はできないと、そうなると議会の構成を変えるというのが一つの常套手段」
記者の質問に応じずSNSなどで独自の発信を続ける田久保市長の思惑については。
<白鳥教授>
「無名よりも悪名の方がいいわけで、名前を知られている候補者の方が場合によっては無名の候補者よりも得票ができるというのをねらっているのではないか」
また、今後の選挙での市民一人一人の意識の重要性を強調します。
<白鳥教授>
「選挙において、市民の方の民意を示していく。市民が求めているのは市政のノーマライゼーション(正常化)なのだということを示していくことが必要だと思う」
議会の解散か、辞職・失職か。いずれにせよ、求められているのは一刻も早い市政の正常化です。