セブン超え、イオンが絶好調の理由

2025年8月には、イオンの時価総額が小売大手で長年トップだったセブン&アイ・ホールディングスを一時的に抜き、首位に立ちました。この逆転劇の背景には「まいばすけっと」の存在があります。コンビニキラーとして株式市場で評価され、急成長が期待されているのです。

イオンは他にも、首都圏でネットスーパー「グリーンビーンズ」の展開を本格化。AIを活用した配送システムやロボット技術を駆使し、次世代型の小売りに挑戦しています。

一方のセブンイレブンは、「まいばすけっと」にはできない店内調理のファストフードに注力。セブンカフェベーカリーやセブンカフェティーなど、出来立ての商品提供によって独自性を出しています。

「まいばすけっと」と「コストコ」に共通する意外な点

興味深いことに、一見まったく異なる「まいばすけっと」と「コストコ」には共通点があります。それは商品数(SKU)がどちらも4000種類未満(「まいばすけっと」が3000~3800種類、「コストコ」が約3700種類)という点です。

店舗の大きさは「まいばすけっと」の最大80坪に対し「コストコ」は4000坪以上と50倍以上の差がありながら、品揃えがほぼ同じというのは驚きです。

違いは商品の選び方にあります。「まいばすけっと」はトップバリュやカゴメなど複数ブランドで300グラム、500グラムなど選択肢を用意する一方、「コストコ」はハインツのケチャップなら1.25kgの超大型ボトルを2本セットでまとめ売りするという具合です。

「まいばすけっと」は都会にある「平日の冷蔵庫」のような存在、「コストコ」は地方にある「週末の倉庫」のような存在と言えるでしょう。

このように見ると、目立たない地味な存在に思える「まいばすけっと」ですが、実はコンビニを脅かし、小売業界全体に大きな影響を与える存在へと成長していることがわかります。

<コムギコ:資本主義をハックしろ!!>

毎日ニュースを100本を読むビジネス系VTuber兼リサーチャー・編集者のコムギ(comugi)が、日々の経済にまつわるニュースを解説するビデオポッドキャスト。本記事は9月11日配信『無限増殖する「まいばすけっと」の戦慄:なぜ100メートル先に同じ店舗をつくるのか』から抜粋してまとめたものです。