愛媛県内の最低賃金が今年12月から時給1033円に引き上げられる見込みとなりました。愛媛の最低賃金が1000円を超えるのは初めてで、引き上げ額も過去最大の77円となります。

愛媛県内の労使の代表などでつくる最低賃金審議会が1日開かれ、森本明宏会長が近隣県との格差解消などもふまえて、最低賃金を現在の時給956円から77円引き上げ1033円とするよう愛媛労働局長に答申しました。

先月、国の審議会は愛媛の引き上げ額の目安として63円を提示していて、答申はこれを14円上回っています。愛媛の最低賃金が1000円を超えるのは初めてで、引き上げ額も過去最大です。

大幅な引き上げが決まった県内の最低賃金ですが、今年は労使の交渉が難航し、最終的には森本会長らが提示した公益案を労使双方の委員が了承したということです。
(労働者側の委員・連合愛媛 白石浩司会長代行)
「絶対額だけをみて満足をしている訳ではないです。ただ過去最大の上げ幅と2年連続で目安以上というその重みみたいなものは受け止めてはいる」

(使用者側の委員・県経営者協会 八塚洋専務理事)
「過去最大(の引き上げ)ですから使用者側にとってみたら(目安の)63円というのはある程度覚悟していたかもしれませんが、プラス14(円)ですから『えっ』というふうなところは正直あるだろうなと思います」

森本会長は公益案の考え方や金額に込めた思いをこう説明しました。

(愛媛地方最低賃金審議会・森本明宏会長)
「生計費最低賃金近傍で生活される方の生計費に対する影響が昨今の物価上昇でかなり大きな影響を受けているんじゃないかという思いがありましたので」

新たな最低賃金は手続きを経て、今年12月1日から適用される見通しです。