大規模噴火を想定したシミュレーション 東京・新宿付近でも約10センチの降灰か

そして今回政府が公開したのが、前回の「宝永噴火」と同規模の大噴火を想定したシミュレーションです。今回は山頂から噴火し、火山灰が首都圏に大きな被害を与える風向きを想定して分析しています。

その降灰の厚さを富士山からの距離で並べてみると、例えば、
▼25キロ離れた神奈川・丹沢湖付近 1メートル
▼60キロ離れた相模原市付近 30センチ
▼100キロ離れた東京・新宿区付近 10センチ
という予測になっています。

10センチ以上の火山灰が積もると二輪駆動の車は走行不能となり、雨が降ってぬかるむと、3センチでも走行不能になるとされているので、首都圏では物流がストップし、食料や生活必需品を手に入れることが難しくなる恐れがあります。

電車も、わずかな火山灰でも電車とレールの間に積もると、通電不良が発生するので、運行できなくなるといいます。

その他のインフラへの影響ですが、電線にわずか3ミリでも火山灰が積もったところに雨が降ると、停電が発生する可能性があり、大量の火山灰で河川などの水質が悪化し浄水施設の処理能力を超えると、水道水が飲めなくなったり断水したりする恐れもあります。

これはあくまでも最悪のケースの1例ですが、都市機能が失われ得る富士山の噴火。
政府は「2週間分の食料・飲料などを備蓄しておくことが望ましい」としています。