宮城県内では2025年の夏、暑さに関する記録が続出しました。

2025年は梅雨の時季から異常な暑さに見舞われて、仙台では6月と7月、熱中症の疑いで救急搬送された人の数が過去最多に。厳しい残暑はまだまだ続くとみられていて、引き続き熱中症や体調の管理に十分注意が必要です。

今野気象予報士の報告です。

「記録的猛暑」で浮き彫りになる課題とは

7月19日、仙台市若林区の深沼海水浴場が15年ぶりに入場制限なしでオープンしました。

訪れた人:
「波が強くて思ったより冷たかったけれど、楽しい。」

海水浴場の開設期間中の27日間で訪れた人の数は3万2千人あまりと、当初予想の1万7千人を大きく上回り、ビーチは大いににぎわいました。

飯野雅人アナウンサー:
「深沼海水浴場の近くにある避難の丘です。数人避難している様子が映っています」

7月30日、カムチャツカ半島付近を震源とするマグニチュード8.8の地震が発生し、宮城県に津波警報が発表されました。

海水浴場の近くにある「避難の丘」では避難していた50代の女性が熱中症の症状を訴えて病院に運ばれました。

暑さの中で津波から避難する際の課題が浮き彫りになりました。

暑さが原因の体調不良も 対処法は

宮城県内は2025年の夏、記録的な暑さに見舞われました。

仙台の平均気温は、6月が22.8度、7月は27.2度と観測史上最も高くなりました。また8月24日には、仙台で35.7度を観測し、2025年13日目の35度以上の猛暑日となりすでに最多となっている記録を更新しました。

街の人:
「よくテレビで『命にかかわる(暑さ)』という言い方をしますけど、これは冗談じゃないなと。本当に命に関わるなと。」

街の人:
「1回熱中症になりました。ずっと外回りが続いていて、夕方になる前にフラフラし始めて、そのまま直帰して、次の日もダウンしました。」

街の人:
「気温も経験したことがない気温なので、これからどうなってしまうのかなっていう不安はありますね。」

仙台市消防局によると熱中症の疑いで救急搬送された人の数は、6月が160人、7月が399人で、どちらも統計が残る2002年以来、最多となりました。

仙台市消防局・佐々木隆広 救急企画課長:
「65歳以上の高齢者の方の搬送が約55%を占めている。電機メーカーのホームページを見ると1時間あたりのエアコンの電気代は6円程度ですので、我慢せずにエアコンを使ってほしい。」

気象庁は、この夏の高温の要因として平年よりも偏西風が北へ蛇行し、暖かな空気の影響を受けやすかったことや太平洋高気圧やチベット高気圧が強まったことなどを挙げています。

仙台市内のこちらのクリニックでは、記録的な暑さが続いた2025年の夏は「扁桃炎」の患者が増えたといいます。

川平耳鼻咽喉科クリニック・高橋薫 院長:
「暑さが(扁桃炎の)一因であると思われます。夏風邪による細菌やウイルスが扁桃腺に感染して扁桃炎になる。規則正しい生活、バランスのとれた食事、ほどよい運動は熱中症に勝つために必要ですので心がけていただければ。」

暑さの記録が続出しとにかく暑かった2025年の夏。仙台管区気象台は、宮城県を含む東北太平洋側の平均気温は、向こう1か月も高い日が多い予想としていて、引き続き、厳しい残暑への対策が必要です。

まもなく8月も終わりますがtbc気象台によると2025年の夏=6月から8月の平均気温も2023年の25.6度を超えて観測史上最も高い値になる可能性が高いということです。

厳しい残暑が予想される中、市消防局の佐々木隆広救急企画課長は熱中症に限らず救急車を呼ぶか迷った際は、24時間365日相談可能な『おとな救急電話相談 #7119』に。
お子さんの急な病気で困ったら『こども夜間安心コール #8000』に電話して、医療従事者から適切なアドバイスをもらってほしいと話しています。