富山大学や金沢大学の研究グループは、石川県輪島市の沖合で能登半島地震を引き起こした海域活断層の痕跡の撮影に成功したと発表しました。

水中ドローンを使って撮影された海域活断層の痕跡=TOYAMA BAY Lab提供

能登半島地震では、半島の北岸を走る長大な海域活断層がずれ動いたとされています。富山大学などは輪島市町野町曽々木の沖合およそ5キロで水中ドローンを使って海底を調べたところ、高さ12メートルほどの崖を発見しました。崖は東西方向に連続していて、南側が高いことから、これまでの地震活動で形成されてきたと考えられます。

水中ドローンを使って撮影された海域活断層の痕跡=TOYAMA BAY Lab提供

崖は3つの段差に分かれていて、特に下の部分は生物などが付着していないことから、去年元日の地震でずれ動いたとみられます。

水中ドローンを使って撮影された海域活断層の痕跡=TOYAMA BAY Lab提供

一方、崖の上の部分は過去の地震活動で繰り返しずれ動いたと考えられます。

研究チームによりますと、能登半島地震を引き起こした海域活断層の痕跡が映像で直接撮影されたのは初めてで、今後は調査結果を過去の地震活動の履歴の復元や、活断層がもたらす地形の変化の分析にも活用したいとしています。