きょうは「火山防災の日」です。富士山が大規模噴火したら何が起きるのか、新たなシミュレーション動画が公開されました。
「富士山から100キロほど離れた新宿では、主に直径0.5ミリ以下の細かな火山灰が降ります」
降り積もった灰で一面グレーと化した新宿の街。内閣府が公開したのは、富士山が大規模噴火した場合のシミュレーション動画です。
きょう、8月26日は「火山防災の日」。日本に111ある活火山の最高峰、富士山は最後に噴火してからすでに300年以上経っていて、いつ噴火してもおかしくない状況といわれています。
富士山の噴火で甚大な被害をもたらすのが火山灰です。降り積もる火山灰は、最大で神奈川・相模原市で30センチ、東京・新宿でも10センチと想定されています。
火山灰が10センチ堆積した坂道を車で走行した実験映像。
記者
「完全に空回りですね」
交通障害で物資の配送が滞るなどして、生活物資の入手が困難になるとみられています。このほか、▼鉄道が運行停止になることや、▼停電、通信障害などライフラインにも影響が出ることが想定されています。
こうした事態に備え、どのような対策が必要なのでしょうか。政府の検討会の委員を務めた東京大学の関谷直也教授は。
東京大学 総合防災情報研究センター 関谷直也 教授
「一番重要だと思うのは備蓄です。東日本大震災の直後の数日間を思い出していただければと思うが、物を買えない・支援が来ない状況を想定しておくべきだと思います」
首都圏は人口が非常に多く、全員が避難する事は現実的ではありません。そのため政府は、積もる火山灰の量が30センチ未満の地域では避難せず、自宅などで生活を続けることを基本としたうえで、▼食料など1週間分の備蓄を推奨、▼可能であれば2週間分備蓄をしておくことが望ましいとしています。
では、何を備蓄すればよいのでしょうか。政府のガイドラインでは、地震の備蓄としても有効な水や食料、簡易トイレなどのほか、灰が残る中で屋外で活動することに備え、防塵マスクやゴーグル、火山灰を片付けるためのほうきやスコップなどを準備しておく必要があるとされています。
降り積もる火山灰の量はおよそ5億立方メートル、東京ドーム400杯分。東日本大震災の廃棄物のおよそ10倍の量にのぼるとみられていますが、その処分の方法はまだ決まっていません。
関谷教授は「火山灰の処理には10年以上かかる可能性もある」としたうえで、大都市が被災することの課題をこう指摘します。
東京大学 総合防災情報研究センター 関谷直也 教授
「あまりにも人口が多く、いつ本当に復旧が進むのかをずっと待っている状態になると思う。精神的に辛いところではないか」
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