ミュージカルのプロの俳優たちが、劇場に足を運べない難病の子や障がい児、その家族らに公演を行う活動を続けています。発起人の一人は宝塚歌劇団で活躍した“元タカラジェンヌ”。「子どもの心に笑顔を届けたい」と奮闘する姿を追いました。

経済的余裕なくとも…難病の子らに“生のパフォーマンス”を届けたい! 

横浜市内の特別支援学校では2025年6月、児童・生徒が待ちに待ったイベントが開かれました。

「風のとおり道」や「サークル・オブ・ライフ」などの歌やダンスを披露するのはプロの俳優たち。難病や障害のある子らに向けて公演を行う団体「心魂(こころだま)プロジェクト」です。

発起人の一人が、有永美奈子さん(47)です。

心魂プロジェクト共同代表 有永美奈子さん
「心の笑顔を届けていけるような活動を続けていけたらと思っています」

実は有永さんは“元タカラジェンヌ”。16歳で宝塚音楽学校に入学し、宝塚歌劇団の花組で8年間、男役を務めました。

有永さんについて、同期の元花組トップスターで俳優の蘭寿とむさんは...

元宝塚・花組トップスター 蘭寿とむさん
「ものすごく努力をするという人だなと。自分の理想とする美学というか、男役像みたいなものに向かって進む、そのパワーはすごかったです」

宝塚退団後、劇団四季で活躍した有永さん。2014年、劇団四季の元同僚で夫の寺田真実さん(53)とともに、「心魂プロジェクト」を立ち上げました。

心魂プロジェクト共同代表 有永美奈子さん
「(俳優として)自分ができることは何だろうと考え続けていたんですけど、劇場に来ることが難しい子どもたちがいる、(公演を)その子たちのところに届けたい、体験してもらいたいと思ったのが、この活動をスタートした原点です」

しかし、経済的な余裕はありません。有永さんは出演だけでなく、経理などの“裏方仕事”も担っています。

会場には寺田さんが運転する車で向かい、積み込んだ機材は有永さんも運び入れます。

心魂プロジェクト共同代表 有永美奈子さん
「普通の劇団だと運転手がいて、(スタッフが)舞台の装置や機材を運んでくれる。公演料が上がってしまうので無理かなと」