新型コロナとインフルエンザの同時流行が心配されるこの冬。
厚労省は、コロナ・インフルエンザを同時に調べられる検査キットについて、薬局などでの販売を検討していると明らかにしました。新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」も緊急承認される中、自宅で検査して、もし“陽性”だったらどうすればいいのか?専門家と共に考えます。

■インフルエンザとの流行に備え 同時検査キット一般販売へ

インフルエンザ患者の数が増えてきています。1週間ごとの数字でみると、約1か月で5倍以上になっています。

厚生労働省は、コロナとインフルエンザを同時に検査できるキットについて、薬局やインターネットでの販売を検討していると発表しました。専門家の賛成も多く、来週にも専門部会を開いて具体的に議論する予定だということです。

コメンテーター 朝日奈央:
同時に分かるっていうのはいいですね。1つの検査キットで。

落語家 立川志らく:
早くしないとね。今段々増えてきてるわけだから、熱が出たら、どっちだか分からない。これはもう早急にね。

恵俊彰:
インフルエンザの検査って、熱が出てすぐにやっても、反応が出なかったりとか、「熱が出て1日ぐらい検査を待ってもらえますか」とか、みたいなのを何度か経験した記憶があるんですけど。



日本医科大学特任教授 北村義浩氏:
例えば朝熱が出て、昼とか、2~3時とかに検査すると、大体陰性になってしまいますね。今、発熱外来をやってる知り合いに聞くと、発熱した患者さんをダブルチェックできるキットで検査すると、9人がコロナ、1人がインフルエンザという割合だそうです。

コロナのスピードよりもインフルエンザのスピードはちょっと速いので、今後、半々ぐらいになる可能性もある。発熱外来はすぐにひっ迫してしまう、あるいは予約も取れないという事態になりますから、ご自宅で検査をできるというのはとても大事だと思います。

問題は、コロナになったら、家にいなきゃいけないのか、新薬の「ゾコーバ」を飲めるのか。でも、その「ゾコーバ」は一体どこに行ったら買えるのか。あるいはインフルエンザだと分かったら、「タミフル」はどこで手に入るのか?やはり医者に行かなきゃいけないのか?どっちが陽性になっても、その後とるべき行動がまだよく分からないんですね。

ですから薬の流通の問題に加え、ご自宅でどちらかが陽性になったらどういう行動をしてくださいっていう行動指針も、早くガイドラインを作った方がいいと思いますね。

弁護士 八代英輝:
第7波のときと同じように、「重症化リスクのない人は3日ぐらい自宅でお待ちください」という形になると、「ゾコーバ」は発症3日以内で服用するんですよね。本当にそれが適用される人がいらっしゃるのか。また、家でインフルエンザの検査もできるようになるのであれば、薬局でも「タミフル」とか「リレンザ」を買えるようにしてもらえた方が、医療機関への負担は減らせるんじゃないかな。

恵俊彰:
早く飲まないと意味がないわけですからね。しかもインフルエンザの検査は熱が出てから1日ぐらい待たなきゃいけない。

日本医科大学特任教授 北村義浩氏:
インフルエンザの検査が適切にできるのって、実は発症後24時間後ぐらいなんですよ。48時間以内にお薬を飲まなきゃいけないけど、24時間以内は陰性になるかも知れない。そのタイミングで手元にキットがあるのかという、そういう非常に危うい状況ですが、それをやらないとこの冬を乗り切れない。でも冬を乗り切れば、私は“明るい春”、コロナはそろそろ終わりねっていう時代が来ると思うので、ぜひ皆さん頑張って、この8波を乗り越えたいと思います。

恵俊彰:
でも本当、八代さんがおっしゃったみたいに、検査キットが家でできるならば、処方される薬も同時に薬局で売ってもらわないと。

弁護士 八代英輝:
「ゾコーバ」と「タミフル」と「リレンザ」は薬局で買えるようにしてほしい。

恵俊彰:
意味ないですよね。自分たちで判断しなさいってことだとしたら、それに効く薬が手に入らないと。それで「医者に行ってください」って言われたら、それは…。

弁護士 八代英輝:
また医者で検査するわけですからね。

(ひるおび 2022年11月23日放送より)