野球部内で下級生に対する暴力行為があったなどとされている広陵高校は、中井哲之監督を交代すると発表しました。部員アンケートの結果を受けて、秋の公式戦には出場するとしています。
広陵高校は、硬式野球部で現在の体制を継続することが難しいと判断し、中井哲之監督と、息子の中井惇一部長を21日付で交代させました。
中井哲之監督は、1990年に広陵高校野球部の監督に着任。春のセンバツ甲子園でチームを2度優勝に導いたほか、多くのプロ野球選手を育成してきました。
異例とも言える大会中の「夏の甲子園」辞退に、監督の交代…。問題の発端は1月でした。
学校内の寮で、当時2年生の部員4人が1年生の部員の頬を叩くなどの暴力行為が発生。学校は2月に日本高野連に報告し、翌月、高野連からは部に対して厳重注意処分が、4人には1か月の公式戦出場停止処分が下されていました。
しかし、夏の甲子園大会直前に被害の詳細とされる文章がSNSにアップされると、関わったとされる生徒の名前や写真などが拡散。これを受けて6日、広陵高校は、厳重注意処分は「本来公表する事案ではない」としつつ、暴力行為を認めて「再発防止に努める」と表明しました。
そうしたなか、この事案とは別に過去に監督やコーチから暴力行為を受けたとするSNSの投稿も拡散。大会運営への支障や安全面などを理由に、夏の甲子園出場を辞退しました。
21日から、新たな監督には野球部コーチの松本健吾氏が、野球部の部長には、バスケットボール部顧問の瀧口貴夫氏が着任。
部員アンケートをおこない、現在の1,2年生による暴力やいじめなどの問題がないことを確認したとして、新たな体制で来年春のセンバツ甲子園へと繋がる秋の公式戦に出場するとしています。
また、広陵高校は今後、外部の学識経験者などで構成される委員会を立ち上げ、学校や野球部の運営に改善をはかる方針です。