特殊詐欺に関与したとみられる日本人29人がきょう、カンボジアから移送され、逮捕されました。カンボジアではいま、中国系の組織が管理する複数の詐欺拠点に多くの日本人がリクルートされているといいます。実態を取材しました。
記者
「日本人29人を乗せたバスが入管施設から出てきました。空港へと向かっています」
きょう、カンボジアの首都プノンペンから移送された10代から50代までの日本人の男女29人。
記者
「容疑者らが1人ずつバスから降りて出てきました。機内に乗り込んでいます」
海外から一度に移送される人数としては過去最大規模で、愛知県警は80人の捜査員を派遣し、29人全員を機内で逮捕しました。
詐欺拠点があったのは、中国系のカジノホテルなどが建ち並ぶ北西部の都市ポイペト。中国系の組織が管理していて、近くの住民によると、地元の警察とも密接な関係があったといいます。
地元の住民
「地元の警察幹部が所有する土地で、警備員が厳重に監視している。部外者は入れないし、怖くて近づけない」
29人は中国人らの指示のもと、日本人をターゲットに警察官を装った詐欺の電話をかけていたとみられています。
5月に現地当局が捜査に踏み込んだ際には、大量のスマートフォンや警察官の制服のようなものなどが押収されたということです。
カンボジアではここ数年、日本の暴力団や「トクリュウ」と呼ばれる犯罪集団が関わる詐欺拠点の摘発が相次いでいますが、特に最近は、中国系の犯罪組織が日本人を詐欺の「かけ子」などとして集めているケースが増えているとみられています。
詐欺拠点にリクルートされる日本人男性
「食べ物とか飲み物を買いに行きたいんです。俺ひとりで行っていいのかが分からないので、ちょっと聞いてみて」
JNNが入手したのは、日本人がカンボジアの詐欺拠点に“リクルート”されている映像。40代の日本人男性が中国系組織の関係者と報酬や生活の条件を交渉しています。
中国系エージェントからの依頼でこの男性をあっせんしたというタイ人のブローカーに話を聞くと…
日本人男性を斡旋したブローカー
「中国人の投資家が彼を紹介してくれて、4万5000ドル(約660万円)で取引した。彼はギャンブルでお金がなくなり、詐欺を働くようになった」
取材したブローカーは、詐欺のノルマを達成できない日本人が詐欺集団の支配下に置かれ、別の拠点へと売り飛ばされる、“人身取引”のようなケースも存在すると話します。
日本人男性を斡旋したブローカー
「日本にはお金を持っている高齢者も多くて、詐欺に引っかかりやすい。だから日本人の需要が一番高い」
一方、別の中国系詐欺組織から先月逃げてきたというタイ人は、“同じ拠点におよそ15人の日本人がいた”と証言しました。
中国系詐欺集団の拠点にいたタイ人
「(日本人は)詐欺に成功すると、必ずパーティーを開いていた。金が尽きるまで宴会をしたり、高価なものを買いに行ったりしていた」
手口が巧妙化するだけでなく、組織の国際化も進む詐欺拠点。日本の警察は海外の機関と連携し、取締りを強化していく方針です。
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