築およそ150年の、福島市にあるお寺。改修工事を行うため、ある驚きの方法がとられました。ダイナミックでありながら、繊細な技術が求められるその現場を取材しました。

井上和樹アナウンサー「福島駅東口から歩いて10分ほどの場所にある康善寺です。これからあちらの本堂が建物ごと動き出します」

さかのぼること鎌倉時代、800年の歴史を持つとされる福島市の康善寺。築およそ150年の本堂は老朽化が進み、2011年の震災、そして3年前の県沖地震で建物が傾き、倒壊の危険性が指摘されていました。

その改修工事を引き受けた宇都宮市の建築会社が採った工法は「曳舞(ひきまい)」というものです。曳舞とは、建物を解体せずに、ジャッキなどを使い持ち上げ、そのままの状態で移動させる工法です。建物を傷つけることなく動かせるうえ、新築のコストのおよそ6割で済むことが最大のメリットです。