「トレンドいわて」です。岩泉ヨーグルトを主力商品とする岩手県岩泉町の第3セクター岩泉ホールディングスのジェラートブランド「ViTO.×(ヴィト・クロス・イワイズミ)IWAIZUMI」の初のフランチャイズ店が沖縄県宮古島市にオープンしました。なぜ、岩泉町からはるか離れた宮古島に1号店をオープンさせたのか?もう一つの狙いが見えてきました。

7月29日、岩手から直線距離で2200キロ離れた沖縄県宮古島市の中心部、平良地区に岩泉ホールディングスの山下欽也社長の姿がありました。

これまで道の駅いわいずみと盛岡市中ノ橋通のmonakaの2か所のみで展開していたジェラートブランド「ViTO(ヴィト・クロス・イワイズミ).×IWAIZUMI」初のフランチャイズ店が7月27日、宮古島にオープンしました。

夜は居酒屋となる店舗の一角にジェラートコーナーを設けたスペースですが、立地の良さと観光客が右肩上がりに増えているという宮古島をとりまく状況に勝機があると見込みました。看板商品は今回の出店にあわせて開発した宮古島産マンゴーを使ったジェラート、そして岩泉の生乳をたっぷり使ったイワイズミルクです。

今回の出張の目的は宮古島店の視察ともう一つある人に会うことでした。滝川聡さん(59)です。半導体関連からマンゴー農園まで国内外で複数の企業を束ねる「KJ(ケージェー)ホールディングス」の社長です。知人を介した2人の出会いがViTO.×IWAIZUMIのフランチャイズ展開のきっかけとなりました。

宮古島西南部にある「空水土(そらみど)フルーツファーム」は、滝川さんが経営するギフト用マンゴーの農園です。水分の多い土壌で育つマンゴーは甘さとみずみずしさが際立ちます。しかし、1本の枝に実らせるマンゴーはわずか1玉から2玉、高い糖度を維持するためのこだわりですが・・・。そんなこだわりのマンゴーですが毎年15%程度、形や大きさなどギフトに適さないものが出てきます。規格外のマンゴーを使ってジェラートを作れないかという滝川社長の申し出に山下社長はフランチャイズ展開に向けた看板商品になるはずと開発を続けてきました。

視察2日目、山下社長とスタッフはジェラートショップのオープンを広く知ってもらうため看板の配置などについて意見交換をしていました。そして・・・岩泉ヨーグルトは既に全国47都道府県のスーパーなどで販売されていますが宮古島にはまだ販路が構築できていません。今回、ジェラートショップの開店をきっかけに宮古島での販売ができないか社長自らマーケット調査に乗り出したのです。宮古島市の人口はおよそ5万5000人。しかし、年間の観光客数は去年119万3000人と人口の20倍を超えことしも更に増加を続ける魅力的な市場です。

(山下欽也社長)
「わりと今日来てくれたお客さんが岩泉ヨーグルトを知ってくださってるっていうのにまず驚きましたね。『いや、やっと宮古島にヨーグルトが来てくれるの』っていう、そういう意見もありましたから、これから販売するにあたっては非常に良い感触でしたね」

ジェラートの販売、ヨーグルトの試食、双方ともに確かな手ごたえをつかんだ視察となりました。

(山下欽也社長)
「マンゴーも牛乳も、とても相性がいいのもあるし。そういう意味でいくと、割とこれから将来に向かって、いろんなパターンのものができてくるんだろうなっていうふうに、大変将来明るいなと思いました」

岩泉町産の生乳と宮古島産のマンゴー、それぞれのコラボによるジェラートショップのオープンは2人の経営者の熱意をエネルギーに次の展開へとつながる突破口となりそうです。

宮古島店がオープンしてから3週間余り。現地でのジェラートの人気ランキングがこちらです。1位は地元産のマンゴージェラートかと思いきや1位はイワイズミルク2位がマンゴージェラートと岩泉ヨーグルトが同数という順でした。

宮古島店で先行発売された宮古島の空水土マンゴーを使ったジェラートは19日から岩手県内の2つの「ViTO.×IWAIZUMI」の店舗でも提供が始まるということです。