「トランプ大統領や閣僚を恐れない」拘束された難民キャンプ生まれの学生

モーセン・マフダウィさん(34)。デモに参加し、拘束された学生の一人だ。リスクもある中、今回インタビューに応じてくれた。

生まれはパレスチナの難民キャンプ。ガザで暮らす親族もいる。

アメリカに渡ったのは11年前。自由のない抑圧された環境を脱したいと、必死で勉学に励み、アメリカで学ぶチャンスをつかんだ。

ところが今年4月、突然拘束された。待ち望んできた市民権を得るための宣誓書にサインした直後だった。

モーセン・マフダウィさん
「国土安全保障省の職員が入ってきて、『逮捕します』と言った。その時、全く正反対の2つの思いを、同時に抱いていた。市民権を得られるかもしれないという期待と、もう何の権利もないという絶望。当局の説明は非常に曖昧だった。彼らは、私がアメリカの外交政策の脅威だと言った」

収容施設での16日間は、家族がイスラエルに拘束された過去を思い出していたという。

モーセン・マフダウィさん
「私の独房はとても狭かった。そのとき、この経験は、私の家族3世代にわたって続いていることを思い出した。父親、祖父、叔父、いとこたち、そして私も投獄されている。しかも、その場所はアメリカ合衆国。とても誇り高い国です。民主主義の先駆者であり、リーダーでもある自由の国。本当につらい経験だった」

この拘束は、マフダウィさんの思いをさらに強くしただけだ。

モーセン・マフダウィさん
「はっきりと、大きな声で言います。トランプ大統領やその閣僚の皆さん、私はあなたたちを恐れません」

トランプ政権は、留学生ビザの審査を強化。SNSの投稿を確認する為、誰でも閲覧可能な設定にするよう要求している。

モーセン・マフダウィさん
「学生たちは、発言することを恐れるようになった。多くの学生が追跡されたくないので、SNSをやめた。一方で、多くの学生や国民はこれにとても怒っている。

政権は、まず学生ビザがある人、次にグリーンカード(永住権)を持つ人、その次には、この国で産まれるなどして、市民権を得た人々を狙っていく。これが意味するのは、真実・民主主義・人権・権力監視・学問の自由を気にかける誰もが標的になるということ。今止めなければ、そうなるでしょう」