岡山大学発のベンチャー企業が日本の魚養殖を変えるかもしれない装置を開発しました。カメラで撮影した水中に泳ぐ魚を触ることなく大きさを計測できるというもです。装置は人工知能=AIを活用しています。


水槽の前に置かれた2台のカメラ。岡山大学発のベンチャー企業ビジュアルサーボが開発した装置で水中の魚のサイズを瞬時に計測します。


(岡山大学学術研究院自然科学学域 見浪護特命教授)
「左右のカメラの情報の違いから、魚の位置と姿勢を計測し、非接触で、(魚が)何もストレスを感じない状態での計測ということになります。」

AI=人工知能を活用していてコンピュータに取り込んだ魚の写真をもとに同じ種類の魚を探します。


2つのカメラの前に当てはまる魚が現れると…それぞれ写真を撮影、触ることなくその見え方の差で魚の位置や体長を測っています。


(岡山大学学術研究院自然科学学域 見浪護特命教授)
「(魚を)水から揚げて計測する場合に数%は死んでしまう可能性があるんですけれど、そういうことはまったくない。」


この装置は魚に優しいだけではありません。100万匹単位で魚を管理する養殖業者にとっては、瞬時での計測は大きなメリットとなります。


(岡山大学学術研究院自然科学学域 見浪護特命教授)
「養殖時の寸法計測、作業者の方が行っているような手作業での計測はなくなっていくだろうと。」

この装置は未来の養殖に大きく貢献できると見浪特命教授は話します。


(岡山大学学術研究院自然科学学域 見浪護特命教授)
「自動養殖技術ですね。餌やりの量とか頻度とかも魚の寸法などを観測して決めることができますので、(魚の)健康管理とか成長管理とかにも使えると思います。魚にとどまらず移動するものの計測、そういうことができる技術ですので非常に新しいと思います。」


魚や人の負担を減らして効率的な養殖を…こうして育てられた魚が食卓に並ぶ日も遠くないかもしれません。