記録的な暑さが食卓を“直撃”しています。猛暑によって生育が上手くいかず、野菜や肉などの値段が上がる「猛暑インフレ」が発生。家計の負担は10万円を超えるとの試算も出ています。
うだるような暑さが復活した日本列島。西日本を中心に35℃を超えるところが続出しました。この「猛暑」の影響が“食卓”に及んでいます。
東京・立川市の農園。いま、頭を抱えているのが…
カラフル野菜の小山農園 小山三佐男さん
「こちらがキュウリ畑になる。キュウリだったんですけどね…」
原形がわからないほど茶色く干からびたキュウリ。トマトも葉は干からび、実はブヨブヨに…
カラフル野菜の小山農園 小山三佐男さん
「40℃が3日くらい続いた時があって、人間もかなりダメージを受けるが、作物はもっとダメージ受けちゃって。作った本人が精神的に一番厳しい」
夏なのに夏野菜が作れない“異常事態”。そこで、こちらの農園が思いついた対策が…
カラフル野菜の小山農園 小山三佐男さん
「今までの野菜は対応できないので、“生き残る作物”を選別して、ダメなものは作らない」
東南アジア原産の赤いスイートコーンなど、“暑さに強い野菜”を新たに育て始めました。今年の猛暑でも問題なく収穫できたといいます。
ただ、本来、日本で育つはずの夏野菜は深刻です。農水省によりますと、今月のトマトやピーマンなどの価格は平年と比べて3割から4割ほど上回っています。
今年の異常な猛暑と少ない雨の影響で食品の価格が上がる「猛暑インフレ」は野菜以外にも。
静岡市にあるとんかつ店。県内産の銘柄豚を提供していますが、その豚の価格の高止まりが続いています。
まさごグループ 秋山俊雄 社長
「ロースやヒレなど、とんかつに必要な部位の仕入れ価格が毎月上がっている。非常に厳しい状況」
理由は、やはり「猛暑」です。
暑さで食欲が減り、豚の肉付きが悪くなったことで出荷が減少。卸売価格は7月18日には1キロあたり948円と、過去最高値を記録しました。
「つらいです。すごくつらいです。うちは子どもが多いので、豚肉がメイン。安くあってほしいです」
食卓を“直撃”している「猛暑インフレ」。専門家によりますと、食費のほかに光熱費もあわせれば、年間で最大10万円以上負担が増えるといいます。
第一生命経済研究所 柏村祐テクノロジーリサーチャー
「どうやってこの価格高騰時代、酷暑による価格高騰時代を乗り切るか。どうやって生活防衛をしていくのか。そういうことを一人一人の生活者が自覚して、行動していく時代に入った」
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