記録的な猛暑がもたらした水不足が、県内の農作物に影響しています。県内の広い範囲で7日未明から降った雨は、「恵みの雨」となったのでしょうか。

湿った空気や前線の影響で、県内は未明から朝にかけて、雷を伴った強い雨が広いエリアで降りました。県内の一部で警報が出るほどの雨でしたが、この雨を心待ちにしていた人たちもいました。
RCCウェザーセンター 梅川千輝 気象予報士
「三次市君田町にやってきました。前線の接近に伴って未明から雨が強まっていましたが、朝方にはあがりました。田んぼや畑にはどのような影響があったのでしょうか?」
農事組合法人 高幡 谷口則明さん
「6日まで水路は流れてなかった。雨で増えた」

石原地区は近くにため池などがなく、水源は近くを流れる茂田川です。雨不足で6日午後まで数週間、水路にほとんど川から水を引けていなかったといいます。
農事組合法人 高幡 谷口則明さん
「どうにもならない…水がないんだから」
気象庁の観測によると7月の三次市君田の雨量は「213.0ミリ」。平年のおよそ66%でした。この雨は、7日間にまとまって降ったもので、猛暑にも悩まされています。
農事組合法人 高幡 谷口則明さん
「この辺りはひびが入っている」
本来この時期に水を張っている田んぼには、ひび割れが目立ちます。

農事組合法人 高幡 谷口則明さん
「一番大事、花が咲く時期。このときに水がないとダメ。雨が降って、神様に礼をしないといけない。水分をもらって稲がすっと上にのびている。6日までは元気なかった。危なかった…恵みの雨」
一方、隣の畑で栽培しているグリーンアスパラは収穫量が平年の3分の1に減っています。
農事組合法人 高幡 上野満さん ※廃棄予定のアスパラについて説明
「見てもらえばわかるこのかたさ。先も曲がっている」
Q、なぜ硬くなる?
「茎がどれだけ水分を吸っているか。水分が多いほど柔らかくなることが多い。この天気には勝てない…」
生産者は短時間にまとまった強い雨ではなく、農作物の生育に適した降り方を望んでいます。

農事組合法人 高幡 谷口則明さん
「一時の雨もいいが、じわりじわり降ってくるのがうれしい。もう2~3回ほしい収穫まで。そうすれば、ことしはどうにか秋までに刈取りできる」
広島ではこの先1週間はしばらく雲が多く、三連休から週のはじめ頃にかけて雨も予想されています。日中の気温は35℃を下回り、平年並みかやや低くなる見込みです。
実りの秋に向け、この数日間が正念場です。