歌舞伎俳優の中村梅玉さん、中村鴈治郎さん、中村扇雀さんが、国立劇場 令和7年9月歌舞伎公演《歌舞伎名作入門》「仮名手本忠臣蔵」取材会に出席しました。

中村鴈治郎さん・中村梅玉さん・中村扇雀さん


興行収入100億円突破も視野に入ってきた、大ヒット映画「国宝」に出演している鴈治郎さんは、手応えについて聞かれると“「国宝」のおかげで皆さんの目が歌舞伎に向いていることは嬉しいことなんですが、今回は「仮名手本忠臣蔵」なので、とにかく皆さんに見ていただきたいということだけです“と謙虚に回答。

中村梅玉さん


2022年に人間国宝に認定された梅玉さんは、“実は「国宝」っていう映画を観ていないし、何も知らないんですけれども、ヒットしてるらしいんだよね“と笑いを誘った上で、“私自身が人間国宝にならせていただいたということは、歌舞伎というユネスコの(無形)文化遺産にも登録された、素晴らしい伝統文化の歌舞伎を後世に伝えていかなければいけない。その担い手としての責任を感じる、それが一番の実感です“と人間国宝としての歌舞伎への思いを語りました。

中村扇雀さん


また、鴈治郎さんの弟である扇雀さんは、映画「国宝」の大ヒットによる歌舞伎ブームへの期待について“(歌舞伎への)関心はすごく高まっていると思います“と話し、吉沢亮さん演じる主人公が劇中で挑む「曽根崎心中」について“歌舞伎の歴史上、お初と徳兵衛を両方やってるのは僕だけなので、映画は原作と違って主役の彼(吉沢亮)が、お初と徳兵衛両方をやってるので、「たぶん、僕(扇雀さん)が観たら、ブチギレますよ」って言われたんですが、私は3か所で泣きました。作品として優れていると思います。主役の2人が、御曹司と、御曹司じゃない歌舞伎役者の空気感が出てて、僕はとても肯定派です“と、絶賛しました。

さらに扇雀さんは、“これはチャンスと思う。梅玉のお兄さんとか、本物の国宝の方がいらっしゃるわけで、本物の国宝の本当の芸を観たいという人は必ず増えてると思う。映画でやった歌舞伎が偽物というのではなくて、本物の歌舞伎って、こんなに素敵なんだよということを感じていただけるような歌舞伎にしていかないと“と力を込め、横で聞いていた梅玉さん、鴈治郎さんも深く頷いていました。

国立劇場9月歌舞伎公演《歌舞伎名作入門》「仮名手本忠臣蔵」は9月5日〜27日、新国立劇場にて上演されます。

中村鴈治郎さん




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