2024年、高知東部自動車道で乗用車が車線をはみ出して対向車線の車に衝突し、1歳の男の子が死亡した事故で、遺族が高知市で会見し、胸の内を語りました。

事故は2024年9月、高知東部自動車道の香南やすインターチェンジ付近で起きました。車線維持システムを起動させた状態で走行中の乗用車が対向車線にはみ出し、ワンボックスカーと正面衝突。後部座席に乗っていた神農煌瑛ちゃん(1)が死亡しました。車を運転していた男は過失運転致死傷の罪で在宅起訴されています。履いていた革靴をサンダルに履き替えようとしていたと見られています。

(神農諭哉さん)
「僕自身、最愛の息子を亡くしてしまった悲痛の思いで極まりないです」

煌瑛ちゃんの両親である神農諭哉さんと妻の彩乃さんが1日、高知市で記者会見を開きました。会見では、男が走行時にシートベルトを外して靴を履き替えていたことを「究極のながら運転」だと強く指摘し、厳罰を求めました。

(神農彩乃さん)
「最後見送るとき十分に抱っこもしてあげられなかったし、初めてなんでこんな事故が起きたのか。日常的に(走行時に)着替えをしていたという話を聞いた時に悔しくて、とにかく悔しくて」

(神農諭哉さん)
「なぜ息子が亡くならないといけなかったのかな、なぜ僕じゃなかったのかなというのは今でも思います。絶対にこんなこと許してはならないし、許されてはならないと思います。(ながら運転を)危険運転(致死傷)にできるように今後法律として(認めて)もらえるように運動していきたい」

2日と3日は高知市で署名活動を行いました。ニュースを見て訪れた人も多く、署名は2日間で5000を超えたということです。(オンライン含む)

(署名した人)
「孫の子どもがかわいい盛りですので、ニュースを見たときに本当にたまりませんでした」
「今後、事故がちょっとでも減るようにという活動されてるので、少しでも僕も力になれたらという思いです」

この日は煌瑛ちゃんが生きていれば2歳の誕生日でした。両親は煌瑛ちゃんに良い報告ができるよう、今後もオンラインで署名活動を続けるとしています。

(神農諭哉さん)
「『なんでこれが危険運転にならないの』って署名活動で言われました。でも今は法律がそうだから仕方がない。でもその中でも厳罰にする。『そりゃそうだよね』ってみんなが言ってくれる。それはうれしい限りですね」

(神農彩乃さん)
「重たい罪に問えないという現実をまず知ってもらうことで、将来誰かを救うことになるのにつながっていきますし、とにかく息子にやれることは全てやったよと言えるように、出来る限り全てやり尽くそうと思って署名活動しました」

集めた署名は検察や裁判所などに提出するということです。