■陸上・富士北麓ワールドトライアル(3日、山梨・富士山の銘水スタジアム)

男子100mの予選で大東文化大の守祐陽(21)が自己ベストの10秒00(+1.3)をマークし、東京世界陸上(9月)の参加標準記録(10秒00)をクリアした。

この日は桐生祥秀(29、日本生命)が8年ぶりの9秒台(9秒99)を叩き出し、女子200mでは井戸アビゲイル風果(24、東邦銀行)が22秒79(+1.0)の日本新記録をマークするなど、好記録が続出した。

参加標準記録を突破した守は「(10秒00まで)あと一歩の速報タイムだったので、何とか正式タイムで(10秒)00にならないかってずっと願ってました。(確定した瞬間は)嬉しい気持ちでいっぱいで、狙ってはいたんですけど、実際に出したとなると、何か感慨深いというか、しっかり出せてよかった」と振り返った。

前の組で桐生が9秒99出し、その直後で走ったことに「すごく会場の雰囲気もボルテージも上がってたので、出すならここだなという感じだと。自分の走りに集中すれば絶対調子が良かったので出ると思ってたので、とにかく焦らず自分らしいレースにしようと思ってました」と気持ちも高ぶる中でのレースに。

「とにかく足を前に返していくイメージで走ってて、ちょっと後半スピード出過ぎて1歩だけ踏み外しちゃって足が吹っ飛びそうな感じがあったんですけど、うまく体幹でコントロールできたので、しっかり綺麗に走れたと思ってます」と内容としても納得のいくレースとなったようだ。

日本選手権で7位の守は、桐生に続き、世界陸上代表入りに大きく前進。「僕が世界陸上に向けてできることはもう全部やったと思ってるので、他の選手の結果を待って、出番が来れば初の国際大会でもありますし、いつでも走れる準備をしたい」と初の大舞台に向けて意気込んだ。