7月の日本の平均気温が統計開始以来、最も高くなったことがわかりました。一方、降水量は北陸などで過去最少を記録。コメ作りの現場にも深刻な影響が広がっています。
気象庁によりますと、北海道から沖縄にかけての7月の平均気温は、基準値と比較してプラス2.89℃。統計を開始した1898年以降で最も高くなりました。
一方、降水量も平年と比較して、▼東北の日本海側で13パーセント、▼北陸では8パーセントにとどまり、7月としては最も少ない量となりました。
さらに観測地点別でみると、▼石川県の輪島で1パーセント、▼新潟で2パーセントなどとなっていて、10の地点で最も少ない記録の値を更新するか、タイ記録となりました。
記録的な猛暑、そして水不足。コメ作りの現場に深刻な影響が出ています。
記者
「こちらの田んぼでは土壌が干上がって、ひびが入ってしまっているところがあります」
鳥取県・大山町のコメ農家・諸遊壌司さん。6月の梅雨明け以降、まとまった雨が降らない影響で田んぼは干上がり、一部がひび割れています。
新米の収穫を前に、今は最も水が必要になる“出穂期”。しかし、水を引いてくるため池も、水量が10分の1程度に減ってしまったといいます。
コメ農家 諸遊壌司さん
「あと、もって1週間~10日、このままだったらね。これで水が無かったら枯れる一方、壊滅です。くず米ばっかりですね」
記者
「大崎市の鳴子ダムです。ダムの内側、岩肌が既に見えてしまっていて、最低水位を下回っています」
農業用水を供給する宮城県大崎市の鳴子ダムは今週に入り、貯水率が0%に。31年ぶりだということで、本来、使う予定のない最低水位以下の水を放流しています。
米どころ、新潟県上越市でもダムの貯水率が下がり、一部の市民に節水が呼び掛けられました。市内各地に設置された無料の給水スポットには、多くの人たちの姿が。
このような中、農水省はおととい、対策本部を設置。農業現場に節水の働きかけを指示したほか、川などから水をひくためのポンプの経費補助事業の活用を促しました。
小泉進次郎 農林水産大臣
「雨が降ることを願うだけというわけにはいきません。よく現場の状況を把握しながら、スピード感を持って対応していきたい」
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