厳しい猛暑が続く中、全国で熱中症による死者や救急搬送が相次いでいます。特に高齢者が屋内で発症する「非労作性熱中症」が増えており、専門家は早めの対策を呼びかけています。
病院も日々対応に追われる
北海道で今年7月、90代の女性が熱中症の疑いで死亡するなど、全国各地で死者の報告が相次いでいます。
こうした中、大分市にある大分三愛メディカルセンターでも日々対応に追われています。この病院では多くの救急搬送患者を受け入れていて、今年6月から熱中症の患者が増え始めました。この日も熱中症を疑われる患者が運ばれてきました。

(玉井文洋副院長)「こんにちは、診察しましょう。楽にしてくださいね。少し脱水がありそうだから、時間500で流します」
熱中症には大きく2種類あります。ひとつは、運動や暑い環境で仕事をしている時に発症する「労作性熱中症」。もうひとつは、運動をしていなくても屋内で発症する「非労作性熱中症」です。
玉井文洋副院長:
「非労作性熱中症のほとんどが高齢者です。これから危険性がますます上がってくるので注意が必要です」
屋内で発症するケースが多いという「非労作性熱中症」。高齢者は加齢により、暑さやのどの渇きを感じる感覚が弱まっているため、脱水症状に気づかないまま、数日かけて発症する場合もあるといいます。

玉井文洋副院長:
「持病があると熱中症が悪化し、重症化しやすくなってきます」
重症化する前に、かかりつけ医に相談するほか、食欲が落ちていないか、倦怠感を感じていないか、周囲の第三者が声かけをすることが重要です。また、室温はエアコンで28℃以下に、湿度も60%以下に保つことで、熱中症を未然に防ぐことができます。
玉井文洋副院長:
「まず自分は熱中症になるかもしれないという意識を持つことが一番重要と思います。自宅にいるときは、体をしっかり休めて対策をしてもらいたい」