養子縁組をあっせんしていた可能性が指摘されている旧統一教会。養子に出されたという元2世信者が野党の会合で証言しました。被害者救済をめぐっては、政府の法案概要が判明。焦点の“マインドコントロール”での寄付の規制には踏み込みませんでした。

■信者間の養子縁組問題 当事者の元2世は「一生苦しみ続ける」

11月18日、野党のヒアリングで公開された元2世信者の肉声。
自分が養子だと知ったのは4歳のときだったといいます。


養子に出された 旧統一教会の元2世信者の声
「『私はどうやって産まれたの?』 『どこから来たの?』とふらっと質問したら、育ての母から返ってきたのが『あなたは、よそのうちから来たのよ』と」

旧統一教会が信者間の養子縁組をあっせんしていた可能性が指摘されている問題。
信者向け動画の中で、旧統一教会は養子縁組をこのように推奨しています。



旧統一教会が作成した動画
「養子縁組という美しい伝統を祝福家庭の中で受け継いでいきましょう」

教団によると1981年から約40年間で、745人が信者間で養子縁組されたといいます。



養子に出された 旧統一教会 元2世信者の声
「どうしてなんだろうという思いが強い。(養子縁組は)掘り下げてみると統一教会の教義でしかないと肌で感じる。結局私って何のために生まれてきて、何で生きてるんだろうって、一生苦しみ続けると思う」

厚労省は調査する方針を示しています。

加藤勝信 厚労大臣(18日午前)
「許可を受けずに養子縁組あっせん事業を行っていた具体的な事実関係が確認された場合には行政指導を行う」

旧統一教会側はこう主張しています。

旧統一教会の主張
あっせんはしていない。それぞれ信者が普通養子縁組として都道府県や家庭裁判所の許可を得ている」

■“救済法”の概要案提示も…“マインドコントロール”盛り込まれず

一方、高額献金の被害救済について大きな動きがありました。

自民党 茂木敏充幹事長
「実効的に被害者の救済、再発防止に繋がるものだと」

政府が高額献金の被害者を救済する、新たな法案の概要を提示。借金や家を売ってまで寄付を要求することを禁止し、家族による取り消し権も一部認めています。



しかし、野党側が強く求めていたマインドコントロール状態での寄付の規制には踏み込んでいません。

公明党 石井啓一幹事長
「マインドコントロールはいわば一種の精神状態ですから、その状態をきちんと定義をしたり、あるいはそれを認定することは極めて難しい」