ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、アメリカのトランプ大統領は、停戦に合意しなければロシアに科すとしていた追加制裁の発動時期を前倒しすると表明しました。圧力を強め、早期の停戦合意を迫る狙いがあります。

アメリカ トランプ大統領
「きょう(28日)から10日か12日後を(追加制裁の)新たな期限にする。待つ理由はない」

トランプ大統領は28日、ウクライナとの停戦合意がなければ発動するとしていたロシアへの追加制裁をめぐり、50日以内としていた期限を短くすることを明らかにしました。発動は8月上旬ごろとみられます。

制裁措置はロシアからの輸入品に追加の関税を課すほか、ロシアの石油を購入している国からの輸入品に関税を課す「二次関税」を導入するとしています。

トランプ氏はロシアのプーチン大統領について、「とても失望している」「もう話す気はない」と強調。追加制裁の発動を警告しても停戦協議に大きな進展が見られないことから、さらに圧力を強め、ロシアに譲歩を迫ったかたちです。

一方、ロシアのメドベージェフ前大統領は、トランプ氏の発言について「脅迫であり、戦争への一歩につながる」と強く反発しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、ビデオ演説で「トランプ大統領から極めて重要な発言があった」と述べました。

そのうえで、「我々が強く断固とした行動を取れば、平和は実現できる。制裁は、その重要な要素だ」として、ロシアへの追加制裁をめぐるトランプ氏の姿勢を強く支持しました。