2016年に芸能活動中にファンの男に襲われ重傷を負った女性が、「必要な警備を怠った」などとして警視庁を所管する東京都などに賠償を求めた裁判で、和解が成立しました。
シンガー・ソングライターとして活動していた冨田真由さんは、2016年に東京・小金井市のライブ会場の前で冨田さんのファンだった男にナイフで刺され、重傷を負いました。
冨田さんは事件前、SNSで繰り返し脅迫を受けていて、警視庁に「殺されるかもしれない」と複数回相談したにも関わらず、「警察官を派遣するなどの対応を怠った」と主張して、警視庁を所管する東京都や所属事務所、加害者の男(36)にそれぞれ損害賠償を求める訴えを起こしています。
冨田さんの代理人弁護士は、きょう(28日)都内で記者会見を開き、都と所属事務所との間で和解が成立したと明らかにしました。
代理人弁護士によりますと、和解はきょう(28日)付けで、都側と事務所側がそれぞれ「見舞金」を支払うことや、同様の事件の再発防止のために警視庁が対応を強化することで合意したということです。
代理人弁護士は「警視庁は同じ事件を繰り返さないように被害者の声に真摯に向き合うことを約束したので、ほっとしている」とする冨田さんのコメントを代読しました。
冨田さんの母親は「これからも不安な生活を送っていくことに変わりはないが、裁判で公平な判断をしてくれたことは本当に有り難いと思う」と涙ながらに語りました。
警視庁は「国家賠償法上の違法はないとの前提に立ちつつも、冨田さんが甚大な犯罪被害を受けたことを重く受け止め、和解内容に合意したものです。警察で事前に相談を受けながら、被害防止できなかったことを重く受け止め、同種事案の再発防止に向け、引き続き組織一丸となって、取り組んで参ります」などとコメントしています。
一方、東京地裁はきょう(28日)、冨田さんに対する殺人未遂罪などで実刑が確定した加害者の男に対し、冨田さん側に7600万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡しました。
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