「レイは真のアメリカ人」働き続ける92歳のオーナー

「Ray's Candy store」の営業時間は、朝9時から明け方の4時まで。

店の2階に住んでいるレイさんは、毎朝9時に店を開けた後、昼寝休憩を挟んで、深夜まで店頭に立ち続けます。

レイさん(92)
「(この店は)私の居場所であり、私の世界なんだ。もし店を失ったら、私はきっと落ち込んでしまう。この仕事が本当に大好きなんだよ」

人生のほとんどの時間をこの店で過ごすレイさんの趣味は、ラジオでニュースを聞くことです。

普段はお喋りなレイさん。このときだけはいつもより口数が少なくなります。

ラジオのニュース
「ガザ地区で援助物資を受け取ろうとした数十人のパレスチナ人が殺害されました。3つの事件で31人が死亡、200人以上が負傷しました」

アメリカでも故郷のイランを初め、中東の混乱が連日伝えられています。

レイさん(92)
「世界で何が起きてるか知るのが好きなんだ。中国・ロシア・アメリカ、みんな第三次世界大戦の準備をしてるってね」

移民として長年ニューヨークを生きてきたレイさん。つらい出来事も乗り越えてきました。

2023年1月の寒い朝、夜勤をしていたところ、店の前で突然、男にハンマーで殴られたのです。レイさんは、顔面骨折などの重傷を負いましたが、応急処置を受け、わずか数時間で店に戻ったそうです。

Q.なぜ働くのですか?

レイさん(92)
「労働は義務だ。お店を開いて、アイスクリームやフライドポテトを売る。みんなのために働かなくてはいけない」

常連たちは、「レイは真のアメリカ人」だと口を揃えます。

常連客
「ヒーローだよ。子どものころから店に来ているが、彼はまだ現役。レイは良いアメリカ人です。彼のような人がもっと必要です」

常連客
「僕が店に来ると、彼はいつも店にいる。朝でも夜でも常に働いている。仕事に対する姿勢が素晴らしい」