“働き方のイマ”に注目する「work23」。ニューヨークの“駄菓子屋さん”で50年以上、お菓子を売る男性に密着しました。「仕事は人生」と語る92歳の働き方とは?
お客さんは家族同然 NYで51年の“駄菓子屋さん”

ニューヨークの繁華街にひっそりと佇む小さなお店「Ray's Candy store(レイズキャンディストア)」。
「キャンディ・ストア」とは、クッキーやチョコレートなどのお菓子を売る店のこと。日本でいうところの“駄菓子屋さん”です。

オーナーのレイさんは、現在92歳。地元では知らない人がいない有名人です。中には、レイさん目当てでやってくるお客さんもいます。
レイさん(92)
「何にする?」

お客さん
「彼女はコーヒー。私はあなたの顔を見に来ただけ。彼女が『近所に来たらレイに会っていかないわけにはいかないでしょ』って」

レイさんが「キャンディ・ストア」を始めたのは1974年。当時、レイさんはイランの軍隊を抜け出して、アメリカに移住した“不法移民”でした。
売りに出されていたこの店に一目ぼれして以来、この道一筋51年。今も休むことなく、週7日働き続けています。
92歳になっても店に立ち続ける理由は――?
Q.この仕事の何が好き?

レイさん(92)
「人だよ。たくさんの人に会えるんだ。私が若いころは、みんな赤ちゃんだった。私は歳を取ったが、みんな大人になり、リスペクトしてくれる。みんなのおじいちゃんみたいな感じなんだ」

結婚したことのないレイさんにとって、お客さんは家族同然。子どもや孫のような存在です。

この店の名物は「フライド・オレオ」です。
「フライド・オレオ」は、おなじみの「オレオ」にホットケーキミックスをつけ、揚げるだけのシンプルなお菓子。
Q.美味しい「フライド・オレオ」を作るコツは?

レイさん(92)
「キレイな油を使うことが大事なんだ。油は毎日交換しているよ」

アメリカではよく知られる庶民的なおやつで、若い世代に人気だそうです。
お客さん
「今までで一番美味しいフライド・オレオ。最高」