ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、両国は再開後3回目となる直接交渉を行いました。停戦に向けた具体的な進展はなかったとみられます。

ロシアとウクライナの代表団は23日、トルコのイスタンブールで3回目の直接交渉を行い、冒頭で仲介役のトルコの外相が「この戦争をできるだけ早く終わらせることが目標だ」と述べました。

交渉は1時間弱で終了。

ロシア側の代表団を率いるメジンスキー大統領補佐官は、新たに1200人規模の捕虜交換を実施することで合意したとしています。

一方、ウクライナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記は、8月末までにゼレンスキー大統領とプーチン大統領による首脳会談を開催するよう提案したということです。

今回の交渉では、双方が前回提示した和平に関する覚書についても協議したとしていますが、立場の隔たりは大きく、停戦に向けた具体的な進展はなかったとみられます。

こうしたなか、ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、SNSで「9回目の捕虜交換が行われ、重病・重傷を負ったウクライナ兵が帰還した」と明らかにしました。

今回の捕虜交換はこれまでのロシアとの直接交渉の合意に基づくもので、あわせて1000人以上が帰還したとしています。

兵士の中には3年以上拘束されていた人もいるということで、ゼレンスキー氏は「全員を取り戻すことが国家の最優先課題だ」と強調しました。